見守る者と見守られる者

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現園舎に引っ越ししてから1周年を迎えました。また今年は今井保育園創立70周年となる、周年イヤーです。
とは言え、世の中は新型コロナウイルスに席巻されています。本来なら記念式典なども行ないたいところですが、まだ当分先の話となりそうです。

先日は急な保育システムの変更により、ご迷惑をおかけしました。
この新システムで「あゆみ」や「おたより帳」をオンライン化し、ご家庭とのより詳細なやりとりができるようになります。また毎日の保育の様子をよりわかりやすくご紹介できるようにもなります。
お子様をお預かりする施設として、子ども達の成長する姿と有益な情報を提供できるよう、工夫を重ねていきたいと考えています。

当園の保育は「子どもの育とうとする力を守る」をテーマにしていますが、その中で「見守る保育」という考え方を実践しています。
これは「大人の関わりすぎにより子どもの体験が邪魔されているのではないか」という視点に立ち、子どもの成長・発達をよく観察しながら、子どもの試行錯誤を見守っていくという考え方です。
この時、我々大人は子ども達を「見守っている」と考えていますが、実は子どもたちも大人たちを「見守って」います。

人は何かを見る時、一方的に見るだけではなく、相手からも見られています。
「誰もいないと思って歌っていたら、見えないところに人がいることに気づき、急に恥ずかしくなって歌うのをやめた」という時、他人に「まなざされた」と認識することによって、無意識に「見る側」の視点となっています。
これは人が獲得する能力の一つで、子どもにも備わっている力です。

子どもは大人に言われたから言うことを聞くのではなく、子ども自身が自分がどう見られているか認識して、その後の行動を決めています。大人の眼差しがどのようなメッセージになっているか、子どもの視点で考えておかなければ、本当に伝えたいメッセージが伝わらないことになります。

大人がどう「まなざされている」か、よくよく考えていかなければなりません。