園長コラム「人が「視る」という行為」

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秋が始まりました。夏の猛暑・酷暑から一転、急に気温が下がって、温度差で体調を悪くされている方も多いのではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症の第9波はおさまった様ですが、これからインフルエンザ本来の流行シーズンである冬に近づいています。予防接種や感染予防で対策をしっかり行いましょう。

感染予防といえば、コロナ禍でマスクの有効性があらためて確認されました。
ほぼ全ての人がマスクを着用する「ユニバーサルマスク」によって、新型コロナウイルスだけではなく、インフルエンザやその他の感染症が大幅に抑えられました。
感染症対策としてのマスク着用が日本で行われ始めたのはスペイン風邪の流行(1918〜1920年)で100年以上前から知られている方法ではありますが、ここまで大規模に徹底されたことはなかったので、その効果に医師や研究者の方も驚かれた様です。

一方で保育現場では「大人が口元を隠すことで、子どもの発達に悪影響があるのではないか?」とのおそれを持つ人もいました。テレビのニュースでも心配する保育園・幼稚園の先生たちが取り上げられることもありました。
これを否定する研究や論文がいくつも発表され、現在では口元が隠れている状態でも乳幼児とのコミュニケーションに問題はなく、発達にも影響はないとされています。

目は口ほどに物を言う、という格言もありますが、どうやら私たちは「目」を通じて感情を読み取り、思いを伝えているようです。
思えば、邪気をはらうとされている市川團十郎の「にらみ」や、「道」という漢字の由来(一説には古代中国で軍勢の魔除けに首を掲げて進む様子からと言われている)など、人が「視る」という行為には特別な力があると考えられてきました。

「保護者と目を合わせる」ことは、子どもの発達に重要な意味を持つと言われています。
乳児を抱っこしながら、ふと目線が合った時に子どもが笑顔になると、思わずこちらも笑顔になりますね。この時に交わされる感情が子どもにも大人にも、ポジティブな影響を及ぼします。

柔らかい感情をこめた目で、お互いに目を合わせながら、コミュニケーションしてみてはいかがでしょうか。

園長 橋本貴志