園長コラム「柳の木の縄」

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先月大雨が降り、強い風が吹いた夜に、園庭の柳の木が折れてしまいました。
園児がいる時間でなかったことは幸いでした。

すぐに植木屋さんをお願いし、何とか治してあげることはできないか相談したのですが、ここまでポッキリと折れてしまうともう無理でしょう、ということで、そのまま撤去してもらいました。
原因は、苗木の時に倒れないようにするため、支えを立ててくくりつけた縄が、予想以上に成長が早かったため幹に食い込み、そこが弱い部分となって強風に耐えられなかったのだろう、ということです。
通常ですと、木の成長とともに縄が痛み、自然に外れるそうなので、よほど柳の木には適した環境だったのでしょう。

人にも同じことが言えそうです。
性格や過ごす環境などもありますが、人の成長がどのようなものになるのか、予想は一切付かないものでしょう。
適した環境だからこそ、その人にとって適度なスピードで成長しているのに、ルールに縛られていることで心や体を痛めてしまうこともあるのではないでしょうか。

子ども達の毎日を見ると、自由にのびのびとさせることで一人ひとりの適度な成長が見られるのだな、と確信させられます。もし子供に対して、大人が大人の思う通りにやらせようとすれば、上に記した「柳の木の縄」のようにその子を傷つけてしまうのではないか、と思います。

大人が子どもの足かせになってはならない、むしろ支えを外すタイミングをうかがう存在でありたいと考えています。

園長 橋本貴志