子どもの本来の姿を『見える化』する

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先日の運動会は雨の中ご参加いただき、ありがとうございました。
園児たちは普段とは違う小学校の体育館に戸惑うこともなく、リラックスしてプログラムを楽しんでくれたようです。

また10月は台風19号により日本各地で大きな被害が起こり、9月の15号の被害とともに、災害の恐ろしさを改めて思い知らされました。
その際には、登園を予定されていた皆様にご迷惑をおかけしましたが、園からのお願いをお聞き届けいただいたおかげで、事故なく過ごすことができました。改めて感謝申し上げます。

10月というタイミングは保育園にとっては、今年度後半の最初の月、ということになります。今年は4月から保育方法を大きく変え、その最初の評価が問われるタイミングでもありました。

4月の時点ではまだ昨年度の姿であった子供達ですが、半年後の今と改めて観察すると大きな成長を遂げていることに気づきます。
例えば昨年ばら組(4才児)の時には友達の言うことをそのまま聞いていた子が、ゆり組(5才児)になった辺りから自分の望まないことについては反発するようになりました。
現在では反発するだけではなく、自分の意見を伝えたり、折り合いがつかなければ無理に近づかなくても良い、という更に高度なコミュニケーションを行なうようになっています。
すみれ組(3才児)・ばら組(4才児)の子供も、そのような年上の様子をよく観察していて、ケンカする時にも「ピーステーブルでお話しよう」と話し合いでの解決を探る姿が見られます。

一見、大人がきっかけを与えることで子供が変化した、と見えるかもしれません。
しかし私は、環境が子どもの本来の姿を「見える化」しただけではないか、と考えています。
元々子ども達には話し合いなどの建設的な解決方法を探る能力があった、しかし「急がせる大人」の存在で、限られた時間での解決を図らなければならず、もっとも簡単な暴力=手を出すケンカで解決するしかなかった、ということです。

時間を十分にとり、慌てなくても良い環境を作って、保育者が自分の都合で子供を操ることがないようにすることで、子供が持つ本来の姿が見えてきた、というのが本当なのではないでしょうか。

このような子供を一方的に劣ったものと見ず、「一人の人間」として見る取り組みは少しずつ全国の保育園・幼稚園・こども園で始まっています。
当園も、子ども達にとってより良い取り組みが全国に広がっていくよう、下半期もじっくりと子ども達と向き合いたいと思います。