今井保育園では「園内研修」と称して、職員全員がより良い保育が実践できるよう、勉強会を行なっています。
昨年度は玉川大学教授・大豆生田啓友先生(NHK「すくすく子育て」でお馴染み)や小田原短期大学学長・小沼肇(はじめ)先生、埼玉県で最初の認定こども園「こどものもり」園長・若盛正城(まさしろ)先生、長崎県佐世保市のNPO法人大地といのちの会代表理事・吉田俊道先生などから、保育の実際に役立つお話をうかがう勉強会をしました。
今年度に入っては日の出町のさくらぎ保育園副園長・宮林佳子先生から絵画活動について(最近、お子様の絵が変わってきたと思いませんか…?)をご指導いただきつつも、保育以外の世界にも目を向けようと、人権についての研修を受けています。
「世界の目が、暴君の手を止める」をスローガンに、世界中で人権侵害を監視する活動をされている『ヒューマン・ライツ・ウォッチ』という団体があります。その東京オフィスの方に来ていただき、世界中で行われている人権侵害、特に子どもに関する侵害を中心にお話をうかがいました。人権侵害というと遠い場所で行われていること、と思いがちですが、この世界で起きている現実であることは間違いありません。タイやインドなど複数の国で学校が軍に占拠され、学ぶ機会を失っている子ども達がいる、またアメリカではタバコの葉の農場で働く10代の子ども達に深刻な健康被害が出ている、などのお話を聞くと、国ごとに子どもを取り巻く状況には問題があり、日本も例外ではない、とのことでした。
またLGBT(エルジービーティ・性的マイノリティの総称)を広く知ってもらうための活動をしている『NPO法人ReBit(リビット)』からも副代表理事の方にきていただきました。全人口に対して7.6%いると言われるLGBT(13人に1人。40名のクラスなら3名はいる計算)は、少数派ではあるものの、決して変わった存在ではありません。LGBT自認者(自分をLGBTと認識している方)本人からのお話は、私たちと同じ日常を送っているごく普通で身近な存在であり、この世界で一緒に生きる仲間なのだ、という認識を得られるものでした。
人権とは、人間一人ひとりが生まれながらに持つ、その人らしく生きる権利です。この基本的な権利をお互いに認めることで人は更に大きく発展できると考えられます。子ども達の育つ力と権利を大切にしたい、との思いを新たにする研修でした。
(ここまで書いてたところで、アメリカ合衆国の最高連邦裁判所が同性婚を全州で認めるとの判断を出したとのニュースを目にしました。こうやって世界が変わっていくんですね。)