8月はお盆ということもあり、保育園は比較的に登園する子ども達も少なく、静かで少々さみしい様子になります。多少時間が使えるこの時期を使って、様々な研修会・勉強会に参加してまいりました。
その中で印象に残った研修会に臨床心理士の方による講演がありました。
冒頭「優しさや思いやりで人の【心】に働きかければ改善できる、などと考えていたら大間違いだ」と言い切られました。日頃園児の思いに寄り添え、と唱えている立場としては、とんでもないことを言う人だなと感じたのですが、これは誤解でした。
ポイントは【心】という部分です。
私達は心を変えることができる、と信じています。しかし実際は心に直接触れることはできません。唯一触れることができるのは当人だけであり、当人が変えようとすることで心は変化していきます。もし人の心に変化を起こそうとするなら、【行動】を変えることでだけ、変化する可能性が出てきます。
例えば、連休などで起床時間が乱れてしまった子どもがいたとします。この子の起床時間を早くするにはどうすればいいでしょうか?
早寝早起きの正しさを認識させる(朝ちゃんと起きるように指導する、早起きのメリットを一緒に考えてみる…)、目覚ましをたくさん置くなどの方法が考えられます。が、最も確実なのは、前の日に早めに寝させる、です。昼間の活動をしっかりさせ、夕飯もきちんと食べさせ、就寝前には激しい運動や刺激的な映像・音に触れさせないようにしておくと、あっさり寝てしまいます。早めの時間に寝れば、当然早く起きることができます。これは早寝早起きという【心】構えを、【行動】から実行させたと言えます。
ちょっとした視点の転換のお話ですが、いろいろな場面で応用できるのではないでしょうか。