「はじめの100ヶ月育ちビジョン」をご存知でしょうか?
【幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン (はじめの100か月の育ちビジョン) | こども家庭庁】 https://www.cfa.go.jp/policies/kodomo_sodachi
母親の妊娠から小学校1年生の終わりまで、おおむね100ヶ月の期間があります。
この100ヶ月は「長い人生において、人格の基盤を築く、はじめの重要な時期」(こども家庭庁資料より)としつつ、「(保育施設や学校、地域などに)切れ目が多い」(同)ため、「共通した考え方を広め、(中略)関連する取組を力強く進めていく、道しるべ」(同)が必要とのことで、国が方針を示したものが、「はじめの100ヶ月育ちビジョン」です。
その目的はいま育っている子ども達に「ウェルビーイング」=身体・心・社会の状況すべてを良い状態にあるようにして、「幸せな状態」を保ち、向上させることにあります。
子どもを育てる人(保護者)だけでなく、そこに関わる人(保育園以外にも買い物に行くお店、病院、近所の人なども)が、子どもの尊厳と権利を守り、尊重していく必要がある、とされています。
日本は長年の取り組みで子どもの身体の健康は、地球上のどこよりも良い状態にあります。
では、心・社会の状態はどうでしょうか?
残念ですが、ユニセフ(UNICEF・国際連合児童基金)の調査では、どちらも良くない状態にあるという結果が出ています。(ユニセフ イノチェンティ研究所レポートカード16 https://www.unicef.or.jp/jcu-cms/media-contents/2020/09/UNICEF-RC16_JPN.pdf)
心の面(対象38カ国中37位)は「自己肯定感が低く将来に向っての希望が低い」こと、社会の面(同29位)は「厳しく接せられるだけで助けを求めることができないと感じられる周囲との繋がり」が、それぞれの要因となっているようです。
この状態から「ウェルビーイング」に持っていくのは、だいぶ大変なことに思われます。
しかし、無力なままではいられません。
社会の一番小さい構成単位は家庭ですので、まずはここから「ウェルビーイング」を推進していくのはいかがでしょうか。
子どもの尊厳と権利を守り、尊重していく。これは今井保育園の保育方針でもあります。家庭と保育園が基礎となって、社会全体に広げていくことができれば、とても動かないと考えていたことも案外良い方向へ転がっていくかもしれません。
まず自分ができることで、子ども達の今と未来を後押しできればと思います。
園長 橋本貴志