先日、国立科学博物館の特別展示で公開されていた「ヤマイヌ」の剥製が、実は上野動物園で飼われていた「ニホンオオカミ」であることが判明した、というニュースがありました。
この発見をしたのは中学1年生(思いついた時は小学4年生)の女の子で、山階鳥類研究所(やましなちょうるいけんきゅうじょ)と国立科学博物館の研究者の力を借りながらも、筆頭執筆者としてこの論文を書き上げ、昨年12月に受理されたそうです。
新しい発見は、解明するには専門的な知識を必要であっても、最初の「あれ?」という気づきがなければ行えません。
この女の子が持った「あれ?」という気持ちを周囲の大人に伝え、その大人も疑問をないがしろにすることなく専門知識を持つ人につなげていった結果、大発見にいたるものになったのでしょう。
今井保育園の園児たちも、日々「あれ?」と出会っています。
当園の保育者たちはこの1年、子どもたちの「あれ?」を大切にしながら、毎日を送っていました。
子どもの持つ疑問を大人が大切にしていることを、子ども自身が知っています。大切にされる自分の疑問に価値や意味があることに気づくのはもう少し後になるかもしれません。
今はただ、大人が話を聞いてくれるのがうれしい!というだけで十分です。
自由であり、安心できること。これが今井保育園が保証することであり、人間が人間らしくあるために必要とする最低限の条件です。
来年度も、子どもたちにとって自由であり、安心できる日々が続きますよう、願っています。
園長 橋本貴志