園長コラム「声なき声に耳を傾け」

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今年も年度末を迎え、ゆり組の園児たちを送り出す季節となりました。
この子達が過ごした6年の間、今井保育園は子どもの自己決定を最も大切にしてきました。まだ寝返りもうてない頃から始まり、声なき声を拾うようにして、子どもの思いに寄り添いながら「生活」を大事にしてまいりました。

ここでいう「生活」とは、家庭から育まれ始め、その延長線上にある子どもが生きてく時間すべてを指します。
子どもの人格を作っていく土台となる自分を支えてくれる自信や、他者への信頼感を育てていくのは、子ども自身です。大人でも子どもでも、そこに関わる他者との関係を築くのにどうすれば良いのか、相手を信頼し、信頼されるには何が必要なのかを会得していくことで、たった一つのその子どもの個性が形を表していきます。

ただその環境を守っていくことができるのは大人だけです。大人の好意的な声掛けや態度が、子どもの未来を支える土台となります。
子どもの伴走をしていられる時間は、考えているよりも短く終わります。
子どもが大人の手を多く必要とするのは、おおむね小学校卒業までの12年です。それがもう、半分の6年間は過ぎたことになります。
それまでのあと少しの間、子どもたちの声なき声に耳を傾けていただけたら幸いです。

それが子どもたちの背中を押す、大きな力になります。

園長 橋本貴志