逆の効果

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 本格的な暑さがやってくる前の、梅雨らしい雨がしとしとと降っています。プール開きも雨で延期となり、なかなか水遊び・外遊びができませんが、子ども達はそんな中でも色々遊びを見つけ、楽しんでいる様子です。

 夏になりますと、トイレトレーニングの絶好の機会、と言われます。薄着となり水分も多く取る時期ですので、「トレーニング」には向いたタイミングとは言えます。
 しかしこの「トレーニング」にはどれくらいの「効果」があるのでしょうか。

 大人がトイレを利用したい時、

1)便意を感じる
2)排便をコントロール(我慢)し、トイレのあるところへ自分の意志で移動する
3)トイレを使う

という段階を踏みます。
 トイレトレーニングはこの中の1と2を無視し、一定の時間間隔をあけて声をかけ、3のトイレを使うことを習慣化してしまおうとする傾向があります。
 排便という個人的な感覚に基づく行為が、2に含まれる「自分の意志」によるものではなく、他者からの促しによるものということになってしまいます。これでは自分で決めて行なうせっかくの機会を失わせているのではないか、と考えられます。
 また子どもの外側からの働きかけを多くすることで、内側からの情報(成長・発達の様子)をわかりにくくしてしまうことも考えられます。

 肉体感覚をわからなくさせ、自分で判断する機会を失わせる…トイレトレーニングにはこのような負の面があります。
 もちろんトレーニングをきっかけに感覚を獲得できることも可能性としてないわけではありませんが、良いことをしているつもりでも期待とは逆の効果を生んでしまうかもしれない点を、我々大人は認識していたほうが良いとも思えます。
 
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