いよいよ合同運動会の日が迫ってまいりました。今年から日程を土曜日とさせていただき、雨天時は会場を今井小学校の体育館に移して実施させていただきます。様々なご意見をうかがい、子ども達の育ちをより良いものにするため、無い知恵を絞っての変更となりました。例年同様、お子様の成長を感じ取れる日となるよう、職員一同準備を進めております。
さて今回は、園であったエピソードをお話したいと思います。
ある日の朝、保護者様とお話しているところへ、お子さんが近づいてきて、「ママ、タッチ!」と言って手と手をパチン! とさせて行きました。
いつまでも甘えんぼで、と仰っておられましたが、私は、今しかないですからね、とよくある受け答えをしました。
すると、「今朝下の子をギュッと抱きしめた後、上の子(先ほどのお子様)にも抱っこさせて、と言ったら、ヤダ! って逃げられたんです」とエピソードをお話してくださいました。
私は、ひょっとして、と前置きして、「さっきのタッチは、朝ママに悪い事したかな、と思ってごめんねのつもりでしたのかもしれませんね。タッチできたことでママとの愛情の確認ができて満足してるかも」と申し上げました。
あー、そうかもしれません! と笑顔でご出勤されました。
子どもにとって、毎日は失敗の連続です。失敗は成長するために必要なこと。むしろ失敗することで、自分で成功・達成への筋道を探していけるようになります。
しかし大人同様、失敗はやっぱりくやしいものです。まったく気にしていない様子の子でも、実は内面で様々な葛藤をしています。その葛藤をポジティブなものに変えてくれるのが「大人からの安心できる関わり」です。
失敗した子への「くやしいね」「またやってみる?」等の思いを受け止めてくれる関わりは、失敗へのネガティブな感情を薄れさせ、挑戦させる気持ちをサポートするものになります。
前述のエピソードのお子様は、きっと朝から冷たくしてしまったこと(失敗)を後悔して悩んでいたのではないでしょうか。しかし保護者様の関わりで、その後悔を受け止めることができるようになったのではないでしょうか。
こういった何気ないやり取りの中でお子様は大人への信頼感を高めていきます。
他者への信頼感を高く持っている人は幸福感も高いと言われています。子どもには幸せな人生を送って欲しい、という当たり前の親心からすれば、他者への信頼感とは大人から渡せる最高のギフトかもしれません。