子どもが集中するとき

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 今月は運動会でした。雨天の時は今井小学校の体育館で、と決めておりましたが、まさかその最初の年に雨天プログラムでの開催となるとは、正直いささか驚きました。園児や保護者の皆さまにも少し残念な様子が見られましたが、終わってみるとグラウンドで行なうのと遜色ない内容となりました。保護者さまからの声援もさることながら、園児の成長を感じさせる様子によるものと、感謝申し上げます。
 0~2歳児の皆さんは参加できず残念でありましたが、また来年、より大きくなった姿を楽しみにしたいと思います。

 最近、園ではKAPLA(カプラ)という積み木を導入しました。積み木というと四角・三角・円筒形など様々な形をしているものを想像しますが、KAPLAの形は1種類のみ。平たい板だけの積み木です。これが1箱に1000ピース、全部で6箱ありますので、6000ピースの積み木がやってきました。
 この単なる平たい板が、実に様々な造形を作り出します。時間が何年たっても積み木がゆがまず、しっかりと積み上げることができるので、かなり大きな構造物を作ることもできます。また白木のままなので木が持つ手触りや香りを感じることができ、持つだけでも色々な想像をかき立てる魅力があります。

 予想した通り、子ども達は夢中になって遊んでくれています。夢中になっている時、脳と手がまるで一体になったように働き、外部からの情報が入りにくくなります。スポーツ選手が言う「ゾーン」に入った、と言えるでしょう。絵本を読む、砂場で遊ぶ、水遊びをするなど、集中する環境があれば、子どもはこの状態にいつでもどこでも入りこみます。大人が声掛けを行なっても反応を示さないのは無視しているのではなく、ゾーンに入りこむほど集中しているのです。

 集中できるということは成長・発達に大変重要で、自分で考え、発想する上で大切な抽象的概念がこの間に育ちます。絵本や粘土、積み木など、子どもが自分のペースで体験できるもので集中することで、効果が現れやすくなります。

 お子さまが遊びに夢中で呼びかけても応じない時、どのような表情で、何をつぶやいているか、ご観察いただけると、きっと楽しい発見があるのではないかと思います。