思い込み

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園舎の建て替え工事がひとつの区切りを迎えています。基礎工事が終わり、7月からは柱を立て始め、8月には上棟を完了し、いよいよ新園舎の姿が形作られていくことになります。
まだまだしばらくはお騒がせしますが、立ち上がっていく園舎を楽しみにしていただければと思います。

昨年と比べれば多少雨が降っているとは言え、梅雨らしくない天候が続いています。
仏教の行事としては5月の花まつり(お釈迦様のお誕生日)、6月の青葉まつり(真言宗の宗祖(しゅうそ)弘法大師 空海様のお誕生日)とお祝いが続いていて、7月には東京はお盆となります。

7月なのにお盆? と感じられる方が多いかもしれません。一般的にお盆休みは8月ですし、なんで東京だけ? と疑問を持たれるでしょう。
もともとお盆は7月の行事でしたが、明治時代に入りカレンダーが現在のものに改められた際に約1ヶ月ほど日付が先に送られることになり、「7月のままにする(東京)」と「時期を合わせて8月にする(それ以外)」と2通りの選択が行われた結果が、現在の形になったようです。
7月の予定を聞かれ、いやあ7月はお盆で忙しくて、などと申しますと、なにいってんだろう? という顔をされることも多く、あまり認知はされていないようです。

お盆=8月のみという思い込みはそれほど実害がありませんが、他のことでは実害が出ることがあります。
身近なところで言えば、子供のことです。
3歳神話や、子供には判断する力がそれほどない、という思い込みは、子供の自由意志を邪魔して、判断する力や考える力を奪います。これは長い目で見るまでもなく、0〜2才の時に大人が行動を制限した場合、3才以降の積極性が著しく低くなることが知られています。勘違いによる害の大きさを感じさせる話です。

「三つ子の魂百まで」という慣用句は「幼い頃の性格は年をとっても変わらない」という意味であって、小さいうちはじっくり大人が観察しましょう、というくらいのことであったのが、いつの間にか「3歳までにいろいろ体験させなくてはならない」という意味としてとらえる方が出てきてしまいました。
この3歳神話はモーツァルトが3歳で楽器を演奏したというエピソードや、親であれば誰でも持つ「立てば歩け、歩けば走れ」という子の成長をあせり、心配する親心など、いくつもの要素が重なり合ってできあがったと考えられます。

子供の成長を心配しない親はいないと思いますが、自分の焦りを子供に解消させるようなことにはならないよう、自戒したいものです。