アウティング

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 2015年4月、東京都国立市にある国立大学・一橋大学の大学院生が自ら命を絶ちました。
 その直接的理由は「アウティング」でした。アウティングとは、人から打ち明けられた秘密としたい事柄を、本人の了解なく、周囲に暴露することをいいます。

「あなたになら」と信頼して打ち明けた秘密を第三者(たとえ一人であっても)に伝えられしまうことにより、秘密としたかったことが広まる恐怖、信頼していた人に裏切られる恐怖、またこれらが繰り返されるのではないかという恐怖という、三重の恐怖が作り出されます。

言い広めた側には「そんな大した話だと思っていなかった」「本人も笑っていた」などの言い訳をします。しかし上記の事件のように、本人は進退きわまるほどのダメージを負う場合もあります。

子ども達がそっと大人に打ち明けるお話にも、他の人には聞かれたくないと考えているものが多々あると思います。子どもが言うことがかわいらしく感じて笑って周囲にそのことを伝えた時、ふと見たその子がうつむいてしまっていた、という「よくあるシーン」。ひょっとしたら…と考えます。

相手がどんな思いで話をしてくれたのか、軽々に考えず、その奥底の思いまで考えたいものです。