世界の国々で発生している人権侵害を監視する団体、という方々がいらっしゃいます。その中で最大規模の活動されているヒューマン・ライツ・ウォッチという団体の方とお会いする機会がありました。
人権侵害というと私達の日常から遠いところにある気がしておりましたが、実は身近にも存在しているとのことで、日本の子ども達の置かれている現状にも憂慮すべきところがあるとのお話でした。
その中で気付かされたことに「人権侵害とは言い切れない侵害」というものがありました。「正当な理由もしくは手続なしに個人の自由を奪ったり刑罰を与えたりすること」を人権侵害とするならば、そこまではしていないものの、大人が子どもに対して言葉で行なうものにそれに近いものがあるのではないか、と考えさせられました。
広げていきますと、子どもには「失敗する権利」があり、事前に「それじゃうまくいかないよ」と、手を出したりやらせなかったりするのも権利を侵害しているといえるのではないかと考えられます。失敗させたくない、痛い思いをさせたくない親心から出ている親切のつもりが、失敗から学ぶことを妨げているとなってしまうのであれば、少し考えを改めなくてはなりません。
なぜ失敗したのか、を考える機会と時間を与えて上げることで、子ども達の成長は大きく歩を進められます。見守る大人はハラハラドキドキ、非常に辛いですが、グッと堪えなければならないようです。